目次
- 「脊柱管狭窄症ですね」と言われたが何をしていいのか分からない
- 手術はなるべく避けたい、だけど痛みに負けてしまいそう
- 運動をしなきゃ改善しないと言われたが運動をすると痛みが強くなる
- 上手な歩行の仕方を知りたい
- 歩きたいけど外に出るのすら辛い
- 脊柱管狭窄症の症状を緩和させる体操を知りたい
こんなことでお悩みではありませんか?
もくじ
脊柱管狭窄症とは?
脊柱管狭窄症の症状を緩和させる体操
脊柱管狭窄症で歩けない人の正しい歩き方
脊柱管狭窄症を悪化させない為に気を付けること
まとめ
脊柱管狭窄症が原因の腰痛は腰から足にしびれや痛みが出現し、歩くこともままならなくなってしまうこともある病気です。
歩けなくなると生活にも困りますから、なんとかまた歩き出せるようにテレビや雑誌で紹介されている体操やストレッチを頑張って行っているあなた。
運動不足を解消し、なおかつ正しく歩きだせるための最初の1歩として行っていきたい体操を中野区の鍼灸師が解説していきます。
そもそも脊柱管狭窄症とは?
整形外科学会より転載:https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/lumbar_spinal_stenosis.html
背骨にある脊柱管(神経を通すトンネル)がなんらかの原因で狭くなり、その中を通る神経を圧迫する状態にあることです。
主な症状は脊柱管の中で神経が圧迫されることによる痛み・・・とされています。
しかし、これらがすべて正しいかというとそうではありません。
特に多くのメディア、雑誌で取り扱われるこの「圧迫されて痛む」というのがそもそも間違っており
神経線維が圧迫(=潰される)によって痛みが出ることはなく、実際には痛みは神経を牽引(引っ張られる)ことによることが見て取れます。
また、神経が強く圧迫を受けているのに少し姿勢を変えただけで症状が楽になったりするでしょうか?
すなわち、脊柱管狭窄症の本当の問題は脊柱やそれを支える骨盤部の動作不良にあり
一生懸命神経の圧迫を取り去ろうとしなくても良いのです。
つまりは、脊柱やそれに伴う筋肉の状態を改善していくことができれば
手術を受けなくともしっかりと改善してくる症状とも言えます。諦めずに、このページで紹介する体操などを通して回復の最初の1歩を踏み出しましょう。
脊柱管狭窄症の症状について
脊柱管狭窄症の症状にも様々ありますが、特に多く見られるのが
「間欠性跛行」といい
・歩いているとだんだんと腰が重痛く、しびれが強くなってくる
・少し座って休憩するとまた歩き出すことができる
・歩き出すとまた痛くなり、休憩すると楽になるを繰り返す
こういった症状があります。
これは足にながれる血流が上手に流れなくなることにより引き起こります。
目安としては20分以上の連続歩行ができない場合は症状として重いタイプです。
こういった症状がある場合は、歩き方や歩くための準備として様々な工夫をしていくことが肝要となってきます。
まずは、脊柱にかかる負担を減らしていく体操等を紹介していきます。
脊柱管狭窄症の症状を緩和させる体操
ここでは脊柱管狭窄症の症状により、なかなか歩くことができない方向けの
・歩く準備
・歩くための体作り
をおこなっていく体操を紹介します。
歩く準備その1、ハイハイ歩き
読んで字の如く、ハイハイで歩くという体操です。
難しく考えずに、赤ちゃんのようなハイハイで部屋の中を歩き回りましょう。
基本姿勢は以下のようにとります
その後に右手→左足
左手→右足
といった順番で前へ進みましょう。
できれば部屋を八の字でぐるぐる廻るイメージで5分ほど行うようにしてください。
ハイハイ歩きには歩行特有の下肢への負担を減らしながら、骨盤や背骨は歩行同様の動作が出現する、という作用があります。
なぜハイハイ歩きなのか?
赤ちゃんを観察してみましょう。
筋肉は大人よりも圧倒的に少なく、骨や関節もまだまだ未発達
なの
にとてもなめらかに動き周り、倒れずにバランスをとりながらあちこちに移動する事ができます。
これは一言で言ってしまえば
「理にかなった動きをしている」
に尽きます。
理にかなった動きをしている為に筋肉がなくとも上手に動けますし、そこから「立ち上がる」という動作にスムーズに移行することができるのです。
つまり、痛みやしびれで歩けなくなってしまった人は文字通り歩く以前の問題ですから
赤ちゃんの時に行っていた「理にかなった動き」を復習して歩く準備をしていく必要があるのです。
歩く準備その2、カウント30
股関節や歩くために必要なインナーマッスルを鍛える体操の紹介です。
やり方はとても簡単です。
①まず仰向けに寝転がります。
②股関節、膝関節、足関節を90度に曲げて準備完了
③空中に足で数字を描いて行きます。
1、2、3、4・・・これを30まで描いていく体操です。
まずは10を目指して行いましょう。
なんなくできたら次は20、それもできるようなら30とだんだんと数字を増やして行ってください。
注意するべきところは
・ヨガマットなどを敷いて行う
・無理な回数を行わない(まずは30を目安に、増やす時は1ずつ増やす感覚で)
・歩く前に行い、終わったあとはできるだけ歩く時間をつくる(5分でも良いですよ!)
これらを注意して行ってみてください。
この体操によって身体を支えるインナーマッスルや足を上げるチカラ、歩く時に使う股関節の筋肉の発達を促す事が可能です。
なにより普通の筋トレよりも身体への負担が少なく、ケガの心配なく行うことができます。
30までを1セットとして、できるだけ毎日行うようにしましょう。
歩く準備その3、ボールリリース
痛みやしびれが強くどうしても動かすことができない時などに行える、
「自分自身でできる安全な筋膜リリース」の紹介です。
※筋膜リリースとは?
筋膜の緊張に対して、引き延ばすように直接法を行ったり、あるいは収縮させるように間接法的に行ったりしてバランスを整える手法であり、本来はマッサージの技法のひとつ。(Wikipediaより引用)
足の裏から腰、背中まで広がる筋膜のつながり「バックライン」を効率的に伸縮させ、
腰部や脊柱にかかっている筋肉的な問題を1時的に解決できる体操になります。
最低でも「テニスボール」くらいの大きさのものを用意します。
椅子に座って姿勢を取ったらそのボールを足の裏にセットします。
そのまま足を前後に動かし、ボールをコロコロと転がすようにしましょう。
この時の注意事項は「絶対にボールを強く押し付けない事」です。
本当に軽く触れるようにコロコロと転がすだけをイメージして行ってください。
これを約1分間行います。必ず左右とも同じ時間を行うようにしてください。
これにより、腰からおしりにかけてのつっぱり感や重痛い痺れを一時的に解消することが可能です。
効果を感じられない場合は時間を置いて何回か繰り返すようにしてください。
脊柱管狭窄症で歩けない人の正しい歩き方
脊柱管狭窄症の方は主訴として「歩けない」「歩きづらい」「足が出ない」等が多くなります。
ここでは脊柱管狭窄症の症状の強さごとにオススメする歩き方をご紹介していきます。
①30分間は歩けるが、それ以上歩くとしびれや違和感が出現してくる方
この方はかなり軽度な脊柱管狭窄症です。
このような場合は、正直に言ってそこまで気を付けることはありません。
とにかく毎日、30分のウォーキングを続けていきましょう。
30分続けて1週間歩けたら、試しに35分に時間をのばして行きましょう。
ただし、多いのが「買い物ついでに歩いてくる」や「荷物を持って歩きにいく」という歩行の質を下げる要素が含まれていることが多いですから、
荷物は最小限にして歩くために歩きにいきましょう。
②15分以上の歩行で足の痺れ、痛みで立ち止まってしまう方
まずは無理をしないで休む
これを必ず守りましょう。痺れや痛みがある時に無理をして歩くと転倒やケガの原因になりますので、絶対に無理をしないようにしてください。
それでもどうしても15分以上歩く用事があったり、急いでいたりする場合は以下の事を行ってみてください。
立ったまま出来る間欠性跛行を落ち着かせる体操です。
おじぎストレッチ
その名の通りおじぎをするだけの体操です。
どこか掴まれる場所があると安全に行なえますので、掴まる場所を探してください。(壁や電柱で十分です。)
安定したところに掴まったら上半身をゆっくりおじぎさせていきます。
このとき上の図の様に腰を前側に丸める様に意識してみてください。
コツは自分のおへそを覗き込むことです。
5秒ほどキープしたらゆっくりと元に戻ってきます。
足を左右入れ替えて繰り返します。
少ししびれや痛みが落ち着いたらまた歩き出しましょう。
基本的に歩いている中で出現したしびれや痛みは根本解決することがとても難しいです。
そのためどうしても「ごまかす」や「その場しのぎ」になってしまいますが、その場しのぎでも歩くことが大切ですから、このような体操を含めて歩くチカラを少しずつ付けていきましょう。
痛みやしびれで5分くらいしか歩けない重症の方
5分歩けない方は外に出るのもリスクになります。
できれば介助者と一緒に外出するか、
シルバーカーなどの歩行補助用品を使用することをオススメします。
5分しか歩けない人は、歩く機能が完全に落ち込んでしまっている状態ですから、
本ページで紹介している「ハイハイ歩き」を行って、まずは体作りから行ってください。
決して無理に歩かず、可能であれば移動時は転倒やケガ防止の為歩行補助具の使用、杖の使用をするようになさってください。
脊柱管狭窄症を悪化させないために気をつけること
今の症状をいまよりも強くしないために、気をつける事を紹介していきます。
簡単に言えば「これ以上悪くしなければ、良くなっていく」のです。
【1】安静は絶対にダメ!
一番勘違いしやすく、間違えやすいのがこれです。
痛みがあるから、しびれがあるからじっとしていよう。これを繰り返していると、ついには歩けなくなる日がやってきます。
少し想像してみましょう。
プロ野球選手が、練習をしないでいつまでも結果を残し続けられるでしょうか?
そう、無理ですよね。
一般の人もこれと同じで、歩く練習をし続けなければ、歩くのは下手になっていきますし、いずれは「歩けなくなる」ということに陥ってしまうのです。
つまり、大前提として「歩けない、だから歩かない」という選択肢はありません。
そうした方の大半は歩けなくなり、結果として手術を受け辛いリハビリを受けることになっています。
とてもお辛い症状ですが、それに負けずに歩行を重ねた人だけが、手術を免れ元通りに元気に歩けるようになっていくのです。
【2】日常生活の強い刺激に気を付ける
日常生活では、知らず知らずのうちに身体に対してダメージを負っている事がよくあります。
特にひとつひとつ上げていくと膨大な量になって書ききれないので、特に脊柱管狭窄症症状のある人が行いやすい間違った日常生活動作を紹介します。
・椅子(ソファ)に深く腰掛ける
ソファや座椅子などに深く腰掛けていると、腰や骨盤に望まれない負担がかかってしまい、症状や状態を悪化させる要因となります。
なるべく椅子に浅く腰掛ける癖をつけましょう。さらになるべく長時間座りっぱなしにならないように20〜30分に1回は立ち上がり休憩をとってください。
・ドシン座り
痛みやしびれがある時に、椅子に腰掛けようとして「ドシン!」と強く座ってしまうのは、腰や骨盤にとても強い衝撃がかかるため危険です。
特に症状の強い時はよくやってしまいがちですから、さらに症状を深くしてしまったりするため
なるべく椅子に腰掛ける時は「ゆっくり、丁寧に」を心がけて座りましょう。
身体を痛める事をしないだけでも、改善する道になるのです。
まとめ
脊柱管狭窄症を患ってしまうと、様々な症状と向きあうことになります。
しかし、根本的に解決していくことは意外にもシンプルな事であったりするので、今までの生活をしっかりと見直し
さらにはこのページで紹介した体操なども含めて、ご自身の身体のためになることを行ってあげてください。
東京都中野区の整骨院では、施術以外にも脊柱管狭窄症になってしまった時の歩行アドバイスや体操の指導、その人に必要な「やること・やらないこと」を分けてお伝えしています。
1日でも早い回復を目指し、脊柱管狭窄症のお客様をサポートしています。